禁煙外来
初回のみ予約制
喫煙は、慢性閉塞性肺疾患、肺がん等の呼吸器病のみならず、
動脈硬化を基盤とする心筋梗塞、脳梗塞など全身の血管の病気、いろいろな癌の危険因子です。
禁煙することにより、あなたとあなたのまわりの方の喫煙関連健康被害を予防し健康的に暮らすことができます。
禁煙は、自分一人ではなかなか達成できません。禁煙がうまくいかないのは
喫煙が単なる習慣や嗜好、意志の弱さでなく、「ニコチン依存症」という病気が原因だからなのです。
禁煙外来では、医師が、あなたの喫煙歴をきちんと把握した上で、禁煙補助薬の処方、治療の経過を見守ります。
禁煙中の症状(離脱症状)が起こっても、診察で相談できるので、うまく続けていくことができます。
また、条件を満たせば、健康保険等を使って禁煙治療ができます。
ただし、過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合は、前回の治療の初回診察日から1年経過しないうちなら、自由診療となります。その場合も、最終的なニコチン依存症の診断は医師が行います。
過去に、禁煙治療を行った人で、再喫煙をしてしまっても、もう一度、挑戦できます。
当院では初回のみ予約制(主に火曜・木曜の午前、ほかの曜日は午後枠で要相談)とさせていただいております。
お電話078-575-5578にてご予約ください。
禁煙治療を受けられる条件
下記の要件をすべて満たした場合には健康保険で禁煙治療を受けることが可能です。
-
自らが今すぐに禁煙を始めたいと思っていること
-
ニコチン依存度スクリーニングテスト(TDS)が5点以上であること
-
[1日の喫煙本数]x[喫煙年数]が200以上であること
※2016年4月から34歳以下の方はこの要件を満たさなくても保険適用となります -
治療方法などの説明を受けて、禁煙治療を受けることに文章で同意すること
-
過去1年以内に健康保険を用いた禁煙治療を受けていないこと
※これらの要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
ニコチン依存症のスクリーニングテスト (TDS)
❶自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
❷禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
❸禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコが欲しくて欲しくてたまらなくなることがありましたか?
❹禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
❺問4の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
❻重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
❼タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
❽タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?(ここでいう精神的問題とは、禁煙時の禁断症状ではなく、喫煙の影響で結果的にイライラしたり、不安になったりすることです。)
❾自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
❿タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
はいを1点、いいえを0点で計算し、合計点が5点以上の場合、『ニコチン依存症』と診断されます。
いかがでしたか? ニコチン依存症の疑いのある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
禁煙治療のスケジュール
健康保険を適用しての禁煙治療は、12週間にわたり計5回の外来受診が必要です。
初回診察、その2週間後、4週間後、8週間後、12週間後に再診していただきます。
当院では初回のみ予約制(主に火曜・木曜の午前、ほかの曜日は午後枠で要相談)とさせていただいております。
お電話078-575-5578にてご予約ください。
おおよそのスケジュールは以下のごとくです。
初回診察では
①ニコチン依存症のチェック
②あなたの息に一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)がどれくらい含まれているか、確認します。
③あなたの禁煙開始日を決定し、「禁煙宣言書」にサインします。
④診察であなたの健康状態、禁煙状況の確認を行い、アドバイスを行います。
⑤禁煙補助薬の特徴と使い方の説明を受けて、あなたに合った薬を選びます。
初診から2週間後以降の診察では、次の4点について確認します。
①診察:喫煙(禁煙)状況の確認、体調チェックなど
②一酸化炭素量の測定
③禁煙を継続するためのアドバイス(ニコチン依存症の対処法など)
④禁煙補助薬の効果の確認、副作用の対応など
計5回の治療を通じて、体調の変化を実感していただきつつ、離脱症状や経過で生じる問題に対して
改善策を一緒に考えます。共に頑張ることで禁煙を続けやすくなります。
禁煙補助薬の種類
現在、禁煙補助薬は、ニコチンパッチ、ニコチンガムの2種類です。
医師が処方し健康保険が使えるのは、
医療用のニコチンパッチ(ニコチネルTTS)です。
ニコチンガムと、一部のニコチンパッチは、
薬局で買うことのできる一般用医薬品になります。
以前汎用されていたニコチンを含まない飲み薬(チャンピックス)は、
出荷停止されており使用できません。
★ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)
禁煙した際に生じる離脱症状を、皮膚からニコチンを吸収させることでやわらげてくれます。
禁煙開始日から使用します。
ニコチンの含有量によって3タイプ(TTS30、TTS20、TTS10)に分かれます。徐々に貼り薬のサイズを小さくしていき、
この薬を基本8週間(最大10週間ただし自費)使うことで禁煙を行います。
初回投与量の目安は、1日10~15本の方はTTS20、5本以下の方ではTTS10です。
1日に1回新しい薬に貼りかえます。貼りかえる時間は原則として朝起床後とし、上腕部や背部などの部位に皮膚にシワができないように伸ばして貼ります。
☆貼り薬のメリット
①禁煙の成功率が約2倍に高まる
②1日中効果が継続
③食欲抑制作用があり、禁煙後の体重増加が期待される
★デメリット
①突然タバコをすいたくなったときに対処できない
②皮膚の弱い人、汗かき、スポーツする人は使いにくい
③ニコチンを含むので、貼付しながら喫煙するとニコチン過量となって、
不整脈などの副作用が起こる可能性があり、循環器の疾患のある人には使いにくい
★内服薬(チャンピックス)***現在、使用できません。
*現在、販売元の事情により出荷停止されています。
出荷再開の方針が定まるまでには相当の時間を要する、とのことです。
ニコチンを一切含まず内服の禁煙補助薬です。
脳内のニコチン依存に関わる、脳内の仕組みに作用して、たばこへの切望感を減らし、禁断症状を和らげます。
もしうっかり吸ってしまったとしてもタバコをおいしいと感じにくくし、喫煙の満足感を減らします。
禁煙開始日を決めたら、その1週間前より内服を開始します。まず0.5㎎を1日1回、3日間。次いで0.5㎎を1日2回、4日間。
この1週間はタバコを吸っていてもかまいません。8日目から禁煙を開始し、
1㎎を1日2回、基本12週間(最大24週間ただし自費)内服します。
初めての処方の時は、2週間分の薬剤をセットした「スターター用パック」があり、簡単に使用できます。
☆飲み薬のメリット
①禁煙の成功率が約3倍に高まる
②ニコチンを含まない
③禁煙後の禁断症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制する
④循環器疾患のある人でも使いやすい
★デメリット
①突然タバコをすいたくなったときに対処できない
②服用中は車の運転を控えないといけない
★うつ病や精神疾患で専門病院を受診中の方は、お知らせください。
チャンピックスとの因果関係は分かっていませんが、精神症状の悪化がみられることがあります。禁煙治療を始めるときは必ずお伝えください。
また、内服中にそういった症状が出現した場合はすぐ内服を中止し、医師へご連絡ください。
禁煙治療の費用
健康保険などを利用した場合、初診料+再診料、薬剤費など、5回の外来治療あわせて
貼り薬で約13,000円程度、飲み薬で薬20,000円程度(自己負担が3割の方で、禁煙治療のみの場合)になります。
ただし、血液検査や尿検査などを追加で検査した場合、他疾患の診断・治療を行った場合などでは、
負担費用が変わってきます。
あなた自身やまわりにいる大切な人のために禁煙し、爽やかな息と健康を取り戻しましょう