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高血圧・糖尿病・脂質異常症・メタボリックシンドローム

生活習慣病とは、生活習慣(過食や偏食、運動不足、喫煙や飲酒等)が発症に深く関与していると考えられる疾患の総称などが原因で起きる病気の総称です。

代表的な疾患には、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)などがあります。

近年、日本人の死亡原因の約6割が生活習慣病によって引き起こされる、がんや心臓病、脳血管疾患等であると考えられています。そのため生活習慣病は生命にかかわる病気と言えますが、初期の頃は、自覚症状がみられないので気づきにくく、日頃の生活習慣を見直し、早めにコントロールすることで予防や改善に努めることができます。

当院では、予防、現状評価、お一人お一人にあった継続した治療を提案しております。

お気軽にご相談ください。

生活改善は、「続けること」が大切です。

生活習慣病も「治療を続けていくこと」が大切です。

気になった時がはじめるとき。たとえいったん途切れても、気になった時がまた始めるときです。

高血圧

高血圧とは

心臓から送り出された血液が血管の中を通るとき、血管にかかる圧力のことを「血圧」といいます。 血圧は、心臓の送り出す血液量、動脈壁の弾力性、末梢血管の抵抗などの要素によって決まります。
日常の動作、時間、環境などの影響を受けて常に変動するので、運動や食事、喫煙、飲酒、緊張や興奮、寒冷などでは高くなり、安静、温暖などでは低下します。 

健康な人のからだでは、血圧は様々な要因に対して適切に保たれるように調節されています。

現在、日本で広く採用されている血圧の診断基準は、世界保健機関(WHO)、日本高血圧学会などの基準で、最高血圧が140mmHg以上であるか、または最低血圧が90mmHg以上であることが高血圧とされています。

高血圧の90%は生活習慣や遺伝要因による発症する「本態性高血圧」ですが、中には他の疾患が原因で血圧が上昇する「二次性高血圧」があります。「二次性高血圧」の原因となる疾患に対する治療を行うことで高血圧や高血圧に伴う合併症が改善する可能性があるため、疑わしい場合は詳しい検査を行います。

若くして発症、急速な高血圧や臓器障害の進行のある方、多種のお薬でもなかなか血圧が下がらない方、電解質異常のある方などは特に疑われます。

高血圧症からおこる病気

高血圧が続くことで、血管の弾力性が失われ、固くなったり血管壁にコレステロールなどがたまり、内径が狭くなって血液の流れが悪くなった状態を動脈硬化といいます。動脈硬化が進むと、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・全身障害(閉塞性動脈硬化症)といった命にかかわる病気につながります。

 

  • 心血管障害:心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞 など

  • 脳血管障害:脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血 など

  • 肝機能障害:腎硬化症、腎不全 など

  • 血管障害:大動脈瘤 など    

 

検査

随時、血液検査、心電図、動脈硬化検査、心エコー・腎臓エコー・頸動脈エコー検査等を必要に合わせて行い、予防や早期発見、治療に役立てます。

治療

日常生活に注意を払うことは大きな意味を持ちます。

まずは減塩  1日6mg未満を目標にしましょう。

タバコは止めましょう 喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がるばかりでなく、血液の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり、動脈硬化の原因となります。

アルコールはほどほどに。1日の飲酒量は、男性ではアルコールとして1日20〜30mlまで、日本酒なら1合=180cc、ビール中びん1本、ウイスキー水割ならシングル2杯まで。女性はその半分までが適量です。

体重を増やしすぎないように気を付けましょう肥満判定基準で男女共に、BMI=25以上は肥満といえます。

太り過ぎは血圧を上げ、心臓にも負担をかけ、全身の動脈硬化を進めたりします。

自分にあった量と負荷の運動をしましょう。運動や労作の許される程度は、その人の高血圧の重症度や合併症の有無と関連するので、自分にあった量を行いましょう。

寒暖差をなくしましょう。 外出時、マスクやマフラー、手袋などで肌の露出部分を少なくしたり、居間と浴室、便所の温度差が少ないよう暖房や着衣に気を付けることは大切です。

ほどよい入浴・スムーズな排泄をしましょう。 おふろは40℃ぐらいのお湯で長湯はしないようにしましょう。便秘でいきまないよう、日ごろからスムーズに排便できるようにしましょう。

十分な休養をとり、規則正しい生活をこころがけましょう。ストレスや精神的な緊張は交感神経を刺激して血圧を上げます。

以上を行いつつ、必要な場合は薬物治療にて血圧を下げる治療を開始します。

血圧のはかり方

高血圧は、そのタイプにより薬の種類や服用時間などが違うので、自分の血圧のパターンを知っておくことが大切です。

家で毎日血圧を測り、記録して、医師に伝えることは診断や治療の参考になります。

血圧は、運動・安静・入浴・排便・食事・睡眠・体調・精神緊張等の条件で著しく変わります。測る前には、5~10分位安静にし条件を一定にした状態で測ることが望ましいです。

測定時間は、起床時と就寝時の2回、毎日ほぼ同じ時間に測るのが理想です。体調の悪い時も測ると役立ちます。

血圧計は、腕と同じ高さのところにおいて、いつも同じ腕・姿勢・時間に測るようにしましょう。座って、1~2分安静後が望ましいです。測り終えたら、血圧手帳に記入します。

糖尿病

糖尿病とは

糖尿病には2種類の方があり、体質によって糖尿病になる1型糖尿病と、生活習慣病と言われる2型糖尿病に分かれます。ほとんどの糖尿病患者さんは、2型糖尿病に分類されます。当院では主に2型糖尿病を診ております。

高血糖症状には、のどが渇く、尿が近い、体重が減るなどがありますが、

初期は知らない間に病状がすすんでいくので、気付いた時には非常に高血糖となっていることもあります。

おそろしいことに、高血糖にさらされることで、大小の血管病変が生じあらゆる部分の血管障害がおこり臓器機能が低下していきます。さらに肥満、高血圧、脂質異常症や喫煙の動脈硬化のリスクが加わることで、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化を原因とする病気をますます発症しやすくなります。

診断にあたっては、早朝空腹時血糖値126mg/dl以上、随時血糖値200mg/dl以上、HbA1c6.5%以上などが糖尿病であるとされています。

糖尿病の合併症

大小の血管病変が生じあらゆる部分の血管障害がおこり臓器機能が低下していくことで、網膜症、腎症、神経障害の小血管障害や、脳血管(脳梗塞・脳出血)心血管(狭心症・心筋梗塞)下肢動脈(間欠的はこう・下肢動脈閉塞症)などの大血管障害、また歯周病などがあります。

糖尿病の治療の目標は、生涯にわたって血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態を維持することで、糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害)や動脈硬化症(心筋梗塞、脳梗塞、足壊疽)を予防し、健康な人と同様に活動的な日常生活や充実した人生をおくるようにすることです。

食事療法をはじめとした治療が適切に行われれば、糖尿病合併症や動脈硬化症の発症・進行を防ぐことが可能となります。

 

検査

随時、血液検査、糖負荷検査、尿検査、心電図、動脈硬化検査、心エコー・腹部エコー・頸動脈エコー検査等を必要に合わせて行い、予防や早期発見、治療に役立てます。

 

治療

血糖コントロールの治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定し、治療を行います。

食事・運動・薬物治療が治療の3本柱です。

 

食事は、1日3食を規則正しく、栄養バランスが偏りなく、その人の適正量を食べることが大切です。

そのほか、ゆっくりかんで、食物繊維を多く含むものからたくさん、味は薄目で、お菓子や清涼飲料水など砂糖の多い食品は控えることもお勧めです。

当院では、まず、食生活の内容をお聞きして、偏ったり過剰なところがないかを判断しそれぞれに合わせた指導を行います。食事の楽しみ、食事制限を頑張りいい状態を続ける嬉しさ、ともに大切にしたいと思っております。

運動や労作の許される程度は、その人の高血圧の重症度や合併症の有無と関連するので、自分にあった量を行いましょう。年齢、性別、身長、体重、日々の生活の過ごし方によって一人一人にあわせて調整します。

運動は、減量効果や心肺機能の改善、筋肉の衰えの予防だけではなく、血糖値の改善やインスリン抵抗性の改善にも効果があることが知られており、特に2型糖尿病の患者さんでは、食事療法と運動療法を組み合わせることで、血糖コントロールが改善することが知られています。ただし、重い合併症があったり、血糖値が十分コントロールされてない方などは運動制限があります。

薬物療法は近年飛躍的に進歩しています。インスリン分泌を促進する薬、インスリン抵抗を改善する薬、食後血糖を改善する薬など、多くの薬があり、それらの心臓をはじめとする好ましい作用もいろいろあることが分かってきて、患者様のライフスタイルに合わせて治療することが可能な時代となりました。

注射薬も、インスリンではない注射薬もあり、それぞれにあったお薬を使っていきます。

また、近年は高血糖に対しては、なるべく早くインスリンを使って血糖値を改善させることですい臓を休ませ、コントロールが改善し結果的にインスリンをやめること(離脱)も可能になっています。

当院では多様な治療に対応するため糖尿病治療の質の向上、療養指導の研鑽を目的として糖尿病協会登録医となっております。

必要な際には、近隣医療機関と連携しながら治療を行います。

また、病院に通院中の方で安定されている方も連携しながら治療をさせていただきますのでお気軽にお尋ねください。​

脂質異常症

脂質異常症とは

血液中の脂質、具体的には「LDL-コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセライドなど)」の濃度が高い状態、「HDL-コレステロール」の濃度が低い状態のことです。

脂質異常症があると動脈の壁にコレステロールが溜まり、血管の壁が内側に盛り上がって狭くなり、それとともに血管が硬く、そして脆くなります。さらに悪化すると血液の流れが悪くなり、盛り上がった部分が剥がれて流れた先で血栓ができて詰まることで心臓(心筋梗塞)や脳(脳梗塞)に障害をもたらします。

動脈硬化は年齢を重ねるだけでも進行しますが、さまざまな危険因子によって進行がさらに促進されてしまいます。だから、それらの危険因子(高血圧、糖尿病など)を適切に治療することで進行を遅らせることができます。

大半は動脈硬化が進行するまで無症状ですが、家族性高コレステロール血症の場合には、しばしば手足の腱(けん)や皮膚にコレステロールの成分がたまることによって、腱の一部が大きくはれたり、皮膚に結節(けっせつ)という「しこり」ができたりします。また黒目のふちにそってコレステロールの白い色素の沈着(ちんちゃく)がみられることもあります。中性脂肪の高い患者様の中には、膵炎を突然おこしてしまうことがあり、その場合は激しいお腹の痛みやはき気、下痢などを認めることがあります。

検査

随時、血液検査、心電図、動脈硬化検査、頸動脈エコー検査等を必要に合わせて行い、予防や早期発見、治療に役立てます。

治療

甲状腺機能亢進症など続発性脂質異常症の場合は、もともとの病気を治療します。一般的に脂質代謝異常症の治療の目標は大血管合併症をいかに防ぐか、あるいはすでにその既往のある患者様の場合は、いかに大血管合併症の再発を防ぐかということがポイントとなります。適切な薬物療法は大血管合併症の発病や再発の予防に有効であることが世界中で認められています。

食事療法として、適正カロリーを見直します。LDLコレステロールが高い場合はコレステロールを多く含む食物のとり過ぎに気をつけましょう。中性脂肪が高い場合は、甘いものや脂肪の多いもの(特に動物性の脂質)、揚げ物をひかえることが大切です。そして、アルコールの制限し、食物繊維(しょくもつせんい)もしっかりとりましょう。

運動療法として、1日30分くらい、週3日以上のウォーキングがお勧めです。

禁煙、食生活の改善、適正体重の維持、適度な運動に加えて、薬物療法を行います。

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